みなさん、こんにちは。
先日、久しぶりに切符を買いました。
切符を改札機に入れた時の音や、ちょっとタイミングをおいてからスルッと切符が出てくる感じがとても久しぶりでした。
今では交通系ICカードが主流ですから、切符を使うことも使ってる方を目にするのもめっきり減りました。
「たまには切符もありかな」と思ったりしますが、
薄く小さいので、失くしていないか結構ソワソワします。
さて、今回は伊藤修一郎『政策リサーチ入門(増補版)』を紹介します。
本書は、政策分析を行うための手法や、発表の心得、政策分析の観点、などを学ぶためのものです。
巻末には、政策リサーチの手法を実際に使用した演習例が4題あります。
1人で政策分析を行うために必要となる手順や手法を本書で身につけることができます。
また、1人で政策リサーチの論文を書く際にどうすれば良いのかが説明されています。
政策リサーチの手順は、(1)問いを立てる、(2)仮説を立てる、(3)資料を集める、(4)仮説を検証する、(5)結果をまとめる、(6)政策提言につなげる、というものです。
一般的なレポート・論文の執筆とやってることは変わりません。
本書はあくまでも政策に関するレポート・論文を書くように特化したものと言えます。
本書の良いところは、仮説検証と政策手法の記述、実際の演習例の3つです。
まず、仮説検証の行い方が丁寧に記述されています。
政策を分析するにあたって、現状の政策が不十分であるなどの仮説を立てて検証することは重要です。
その際に、本書では、統計を用いた手法や、複数の事例を比較する手法、事例研究などが紹介されています。
読んだだけで実際に使いこなすのは難しいですが、仮説検証のレパートリーを知ることができる点で有益です。
また、政策手法の記述がそれなりに詳しいです。
政策手法とは、規制や補助金、情報公開などの政策を実現するための手法です。
政策手法の類型と論点が整理されている本はあまり見かけない点で本書は有益だと思います。
ただ、入門ということもあり、記述が易しいところがあります。
各手法についての記述が表面的にとどまるので物足りない感じはします。
最後に、実際の演習例の存在です。
正直なところ、本書を通読しただけで、すぐには政策リサーチに取り掛かるのは難しいと思います。
やはり、本書の内容が、実際のところどう役立っているのかが欲しいところです。
その点、本書では、巻末に実際の演習例が掲載されています。
自転車事故や景観保護の政策分析について、本書で学んだ政策リサーチの手法が実際に用いられています。
このパートを読めば、政策リサーチに関する指針が得られると思います。
参考
本書は政策分析を実際に行う上での手法を勉強するものでしたが、公共政策自体の知識を勉強するものとしては、秋吉貴雄ほか『公共政策学の基礎(第3版)』があります。
著者の伊藤修一郎さんが共著者ともなっています。
こちらも併せて読むと公共政策に関する理解が深まると思います。
別途紹介記事を書いていますので、そちらも参照いただければと思います。
moto-hougakuto-blog.hatenablog.com
ではまた今度。